書評
野球医学の教科書

 編集工房ソシエタスが編集している月刊スポーツメディスン145号(2012年11月号)の特集「肘の問題」で、野球肘について筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター講師、整形外科医の馬見塚尚孝先生に解説していただきましたが、その馬見塚先生による著書がこの「野球医学の教科書」です。
 「大人がつくっている故障」と言われている野球肘をはじめ、野球肩、野球腰など野球障害から子どもを守るための教科書。野球医学(Baseball medicine)という表現も新しいのですが、医学や科学の根拠をあげて、野球障害を克復、予防するための知識、技術、トレーニング、ケアなどをカラーでわかりやすく解説。
 こういう子どもの障害を防ぐための指導者や保護者むけの本はありそうでなかなかない。しかもきちんとした医科学的根拠を示し、そして著者の野球選手としての経験、チームドクターとしての経験も活かされた内容。
 全力投球禁止、キャッチャーのセカンド送球禁止、ゆっくりとしたフォームで投げるなど、「それでいいのか?」と思わせる提言も、ジュニアの場合はそうあるべきと納得がいくように書かれている。
 野球関係者にはみな一度は目を通し、ことあるごとに参照していただきたい本である。


野球医学の教科書
馬見塚尚孝 著
A5判 160頁
オールカラー(巻末は2色)
1500円+税
ベースボール・マガジン社
2012年11月30日刊行

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