書評
一生痛まない強い腰をつくる

 著者は整形外科医で、オリンピック日本代表帯同ドクター。日本水泳連盟医事委員長も務め、当然水泳選手との関わりも深い。水泳選手も腰痛は大敵。本書で紹介されているメソッドは、オリンピック競泳選手などの体幹トレーニングにも取り入れられているもの。ロンドン・オリンピックで日本の競泳チームは過去最多の11個のメダル獲得。その背景にこうした体幹筋に重きをおいた運動の成果があると言われている。そのなかから腰痛治療に最適なものを選び、ふだん運動をしない人でも楽に継続できるものをアレンジしたのがこのメソッド。
 書名『一生痛まない強い腰をつくる』というのは最初見たとき、「ちょっとおおげさかな」と思ったが、読んでいくと、スポーツドクターらしい前向きの姿勢で、「おおげさではなく、まさにそのとおり」と思うに至る。
 理屈は簡単に述べ、あとはメソッドをわかりやすく説明するというような本ではない。全体の半分以上を割いて、腰痛について語る。第1章は「なぜ、あなたの腰痛は治らないのか?」。「腰痛を生み出すのは「脳」と「骨」」という項目では、慢性的ない痛みが続くと脳の疼痛感覚野という痛みを認知する部位が過敏になり、強く痛みを感じるというしくみを説明、まずは自分の腰痛がどこが「震源地」で、どうなって痛いのかを知るように解説される。正体を見極めようということ。解剖学的なことも含め、医学的内容がすっきり頭に入るようになっている。こんなにうまく説明されたのは初めてと思う人もいることだろう。
 メソッド自体は、ドローイン、そこからのハンドニー、サイドブリッジ、そしてさらにはエルボウトウ。方法については同書をみていただきたい。難しいエクササイズではないが、慣れない人は最初は少し大変かも。でもすぐできるようになるはず。
 朝晩、やってみた。今も続けている。確かに腰まわりがしっかりしてくる。「強い腰」をつくりたいものだと思う。
 ということで、腰に不安のある方、今はない方もぜひお目通しを。なにせ、人口の85%は経験しているという腰痛。読んで、実践をおすすめします。(清家輝文)



一生痛まない強い腰をつくる
金岡恒治 著
四六判 192頁
1,200円+税
高橋書店
2013年4月25日刊

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