書評
続 運動機能障害症候群のマネジメント
頸椎・胸椎・肘・手・膝・足

 Shirley A. Sahrmann博士による“Diagnosis and Treatment of Movement Impairment Syndrome”(2002)が、医歯薬出版者から2005年『運動機能障害症候群のマネジメント-理学療法評価・MSIアプローチ・ADL指導-』という書名で刊行された。A4判で450頁を超える。
 「人は皆、ひとりひとりが個別に運動パターンをもっていること、さらに骨関節疾患をもつ患者は、その運動パターンが誇張されていること」に気づいた著者が、過去20年にわたり、その運動パターンの特徴を説明する法則を見つけ出し、それらがどのような形で痛みに関係、または痛みの原因になっているかということを解明するため努力してきた。その成果としてまとめられたのがこの本ということになる。
 その続刊が今回紹介する本書であるが、612頁にも及ぶさらなる大著になっている。原著は“Movement System Impairment Syndromes of the Extremities, Cervical and Thoracic Spines”。
 序文でHeidi Prather, DOがこう記している。
 「残念なことに、運動の診断はあまり明らかにされておらず、患者はむしろ「問題ない」とか「老化現象である」という説明を受けてしまう。この結果、患者は運動を再トレーニングする機会を逃し、さけられたはずの慢性的状態にまで進行してしまう可能性がある」
 21世紀の医療が目指すべきポイントであろう。前著も理学療法士のみならず、その他医療職、スポーツ関係者にも広く受け入れられてきたが、本書はさらに拡張された内容で、運動機能障害のリハビリテーションはもとより、スポーツ選手のコンディショニング全般にも多くの知識をもたらしている。
 全8章で、1、2章が総論、3~8章が各論だが、1章では運動系症候群の診断の基礎となるコンセプトについて、前著よりアップグレードされた内容で、2章では、前著では触れられていなかったリハビリテーションの病期分類(staging)について解説。術後・外傷後の組織の治癒過程に基づいたアプローチと運動系診断の区別が明確になり、読者の臨床的推論の実践が助けられる内容になっている(以上、監訳者の序より)。
 正確で丁寧な訳文は読みやすく、訳者、監訳者の労がしのばれる。熟読に値する一冊と言えるだろう。(清家)



続 運動機能障害症候群のマネジメント
Shirley Sahrmann ら原著
竹井 仁・鈴木 勝 監訳
加藤邦大・小橋里矢・髙間省吾・
建内宏重・諸谷万衣子 訳
A4判 612頁
12,000円+税
医歯薬出版
2013年5月20日刊

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